いわゆるアベノミクスについて

今マスコミを初めとして、自公政権の目玉として、金貨玉条のごとく宣伝されているが、これは従来からのケインズ政策の展開である。ケインズ政策は別に珍しいものではなく、歴代の自民・自公政権がずっと行ってきたものである。

ところが財政危機に陥り、方向転換して小泉・竹中路線、つまり新自由主義政策に転換した。しかし自由競争による強い者勝の経済政策は国民生活に多大の格差と破綻を生ぜしめ、国民の多くの批判で廃止せざるを得なくなってしまった。しかしながら、その後政権の座に着いたのが民主党だが政策・理念の違うツギハギだらけの政権は、多くの国民の深刻な要求を実現することはかなわず、短期間で敗退してしまった。

その後、新たな装いで出てきたのが安倍政権の「アベノミクス」である。

ところで、アベノミクスのケインズ政策であるが、そもそも歴代政権が行き詰まった原因の一つは、ケインズ理論は静態理論であり、政策は基本的には「静態政策」であることである。乗数効果と有効需要・利子率その他は短期でしか想定されていない。しかもケインズも想定したのであるが、利子率はブレーキ役は果し得ない。ましてや、今のような財政状況では切り上げは不可能である。いわばブレーキのない車で、下り坂をフルスピードで暴走するようなものである。今の状態を3京とも4京とも言われるファンドのギャンブル経済が狙っている。大変危険であるといわざるを得ない。