「知りたい聞きたい 」そもそも元号って何? 2019年4月2日(火) 赤旗

 

  政府は1日、新元号を「令和」とすることを発表しましたが、そもそも元号とは何ですか?

  もともと元号は、古代中国で「皇帝は国の民衆も時間も支配する」という考え方に基づき、皇帝が年を表記する起点=元(年)を定め、それに名前をつけたのが始まりです。前漢(紀元前202年~紀元後8年)の武帝が最初といわれます。日本は7~8世紀にかけて、それをまねて元号制を始めました。

 「一世一元」も、中国からの輸入です。中国では、明(1368年~1644年)に始めたもので、清朝もそれを踏襲しました。

 日本では江戸時代までは「祥瑞(しょうずい)」(めでたいこと)や「災異」(災害など)を理由に、年初とも関係なく変更(改元)してきました。代替わりに際して、改元できなかった天皇もいました。

 それを明治政府が改め、1868年、「天皇1人につき一つの元号」という「一世一元」を制度化しました。天皇の絶対的、神格的な権威を国民に浸透させるためでした。皇位継承を定めた旧皇室典範と「登極令」で明文化されました。

 戦後、元号制度は、旧皇室典範、「登極令」が日本国憲法の下で廃止され、法的根拠がなくなりました。しかし、「天皇の元首化」を目指す自民党政府は元号法(1979年)で元号制度を復活、固定化しました。

 元号などの紀年法には民族や宗教によって独自のものがありますが、現在では西暦が実質的な世界標準です。中国でも辛亥革命(1911年)で清の終わりとともに元号は廃止され、元号使用国は世界で日本だけとなっています。